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2023年に入ってから、円安ドル高が進行しています。 10月初めには、1ドル=150円台をつけるなど、1990年以降で最も円安の水準になっています。 この円安ドル高は、日本と米国の金融政策の違いや、国際的な投資マネーの動きによって生じていると考えられますが、今後の為替相場はどうなっていくのでしょうか。 この記事では、円安の原因と影響を分析し、今後の見通しを考えてみたいと思います。
まず、円が安いのは、世界中でほとんどの国の中央銀行がインフレ対策のために利上げをしているにもかかわらず、日本銀行だけが利上げをせずに超金融緩和策を続けているからと考えられます。 一般的に、金利が上がらない国の通貨は資産運用の対象として魅力が乏しく、調達コストも低く抑えられるため、金利が上昇する国の通貨に対して売られやすい傾向があります。 その結果、円はドルに対してだけでなく、ユーロなどそれ以外の通貨に対しても安くなっているのです。
次に、ドルが高いのは、国際的な投資マネーが、高い投資リターンを求めて米国の金融市場に周期的に集まることによって生じていると考えられます。 実は、こうしたドル高は、15〜20年ぐらいのサイクルで起きています。 1985年のプラザ合意前のドル高もそうですし、ドルは2001年頃にもピークをつけています。 これは、国際的な投資マネーが、建築物の建て替え周期と重なっているともいわれる『クズネッツ・サイクル』と呼ばれる現象で、その中心地でもある米国にお金が集まり、ITブームから1年ほど遅れる形でドル高が生じているのです。
現在のドル高は、先端産業であるIT産業の周期的な投資ブームが原動力であり、米国では大手IT企業や新興ベンチャー企業が株式市場や資本市場で活発に資金調達を行っています。 また、米国ではコロナ禍で大規模な財政出動や金融緩和が行われたことで、市場に大量の資金が供給されました。 この資金は一部が実体経済に回る一方で、一部は金融市場に流入し、株価や債券価格を押し上げています。 これらの要因が相まって、米国の金融市場は世界的に魅力的な投資先となり、ドル需要を高めているのです。
このように国際的な投資マネーの動きが、ドル高の主な原因となっています。
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